Project Story プロジェクトストーリー
見える化で未来をつかむ。 新生・生産管理システム
プロジェクトメンバー Project Member
本プロジェクトは、システムを構築したS.S氏を中心に、現場の「使いやすさ」と「情報の精度」を
追求するため、部署を超えた密な連携によって進められました。
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S.S
営業課
システム開発・運用主導 システムの設計から導入までを担う。現場の声を聞き、システムをカナマルの風土に合わせて「翻訳」した。
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H.M
機械課
現場視点のアドバイザー データと現場の体感のズレを厳しく指摘し、負荷の平準化を共に追求した。
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Y.N
機械課
かつて「メガホン」を用いたアナログ管理を担っていた経験から、運用の効率化を支えた。
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K.K
溶接課
ベテラン班長 現場の抵抗感や不便さを率直にフィードバックし、実用的な運用ルール作りに貢献。
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C.M
管理課
事務・マスタ管理 産休明けに合流し、膨大なマスタ登録や単価修正など、システムの「心臓部」を支えるデータ整備を一手に担った。
プロジェクトのスタート Introduction
かつて、この工場の生産管理は「一人の担当者のエクセル」の中にだけ存在していました。
小ロット多品種の受注が重なり、月に2回は大きな計画変更が舞い込む。そのたびに役職者が半日、担当者が数日かけてエクセルを書き換える。情報の鮮度はすぐに失われ、倉庫には「いつ使うかわからない材料」が山積みになっていました。
「このままではいけない」
そんな危機感から始まったのが、生産管理システムの導入プロジェクトです。これは一人のシステム担当者が作り上げた物語ではありません。現場のベテランが抱く「違和感」と、事務局がコツコツと積み上げた「正確なデータ」がぶつかり合い、対話を重ねることで、ようやく命が吹き込まれた変革の記録です。
プロジェクトの流れ Project Flow
Episode.01
書き換えに費やす数日間と、
赤ペンが象徴する「情報の時差」
S.S当時は受注変動に合わせて毎週、計画を練り直していましたが、すべてが手入力のエクセル管理でした。情報の吸い上げと現場への反映を週1回行うだけで、役職者が半日、担当者は丸1〜2日もかかりきりになる。小ロット多品種に対応するための「やむを得ない工数」でしたが、あまりにも非効率でした。
H.M現場では、リフトで材料を運びながら、壁に貼り出された進捗表を赤ペンで消し込み、終わればトランシーバーで連絡するというのが日常でした。それを役職者が一人で抱え込んで管理していたので、情報の集約だけでも膨大な時間がかかっていましたね。正直、当時は「面倒だな」と感じる作業も多かったです。
Y.N私も管理側として「メガホン立て」という色分け管理をしていましたが、現物確認に追われて作業の手が止まることもしばしばでした。急ぎの品に銀テープを貼って目立たせるなどの工夫で必死に繋いでいましたが、その貼り替え作業だけでもかなりの時間を取られていました。別の業務もしながらだったので、管理作業中は手が止まってしまい、後工程に迷惑をかけることもありました。
K.K当時は溶接の班長をしていました。システム導入前は、自分の職場でいつまでに仕事を上げなければならないかという判断がつきにくかったんです。工程が長い製品だと「まだ大丈夫かな」と油断してしまい、結果的に後工程に迷惑をかけてしまうことが多くて。事務所サイドから「あの部品はどうなってますか?」と聞かれても、即答できずに困ることがよくありました。
C.M 私はシステムが切り替わる時期、2年半ほど産休・育休を取っていました。復帰した時にはすでに今のシステムが入っていて、以前のソフトと並行して試行錯誤している段階でした。 以前は「定期発注」といって、材料を週に1~2回まとめて注文していたのですが、100個あれば100個すべて手打ちで入力していました。作業実績もみんなが紙に書いてくれたものを、1枚ずつ見ながらエクセルに手入力して集計していたんです。単価改定の時期なんて、5センチくらいの厚さがある紙の束を、2週間くらいかけて手直ししていました。
Episode.02
データと体感の衝突。
現場の声がシステムを鍛えた
2019年、システム導入が本格化します。しかし、単にソフトを入れるだけでは解決しない「高い壁」がありました。
C.M まずはデータの土台作りです。工程の登録、材料の登録、すべて一からのスタート。これをみんなで手分けしてエクセルに打ち込み、システムに流し込む。この地道な作業をやり遂げたことで、ようやくスタートラインに立てました。
S.Sそこからが本当の戦いでした。システムが計算した数値を出しても、現場の反応は冷ややかだったんです。「全然合っていない」「こんなの使えない」と。
H.M私は会議でS.Sさんにかなりクレームを言いました(笑)。システム上の計算と、私たちの「体感」が全然合っていなかったんです。元々のデータが足りないのか、計算式が違うのか。納得できるまで話し合いました。
S.SH.Mさんたちから指摘をもらうたび、「何が要因で差が出るのか」を一緒に探しました。1箇所変えれば全体に響く。全ての現場が満足する妥協点を見つけるのは難しかったですが、やってみて反応を見て、また直す。その繰り返しでした。
K.K現場でバーコードを打つというのも、最初はみんな「そんなの俺にはできん」と抵抗がありました。でも、S.Sさんが丁寧に説明してくれたし、ベトナム人スタッフ向けに翻訳資料まで作ってくれた。使い勝手の悪さを伝えると、それも運用でカバーできるように工夫してくれました。
Episode.03
情報の透明化。
そして「次」への意欲
苦労の末に稼働したシステムは、工場の景色を少しずつ変えていきました。
K.K今ではバーコードを打つのが当たり前。事務所に聞けば「今どこに何があるか」がすぐ分かる。後工程への迷惑も減りましたし、現場としても本当に助かっています。
Y.Nメガホンを管理していた時間が短縮されて、管理職の手が空くようになりました。その分、他の改善活動に時間を割けるようになったのは大きな進歩だと感じています。
H.M当初うまくいかなかった「平準化」も、データが溜まっていくうちに安定してきました。今ではグラフを見ながら、無理のない計画を立てられるようになっています。
C.M 事務作業も劇的に楽になりました。単価改定もエクセルデータで一気に変えられますし、手打ちのミスもなくなった。あの「5センチの紙束」との格闘が嘘のようです。
変化を受け入れる。 それが進化への一歩
S.Sこのシステムはまだ完成ではありません。運用はできていますが、これを100%活かして原価計算を最適化し、さらに利益を出せる体質を作る。そこまでいって初めて完成だと思っています。
今回のプロジェクトを通じて強く感じたのは、「変化を受け入れる大切さ」です。
以前のエクセル管理が悪いわけではなく、当時はそれが最善の選択肢だったんです。でも今は新しい選択肢がある。大切なのは、新しいことを受け入れて「変化する」こと。システムを変えるのは大きな労力が要りますが、周りと相談しながら進めれば、必ず結果は良くなります。その変化を楽しんでほしいですね。
対話を恐れず、現場と一緒に作り上げたこのシステムが、これからのカナマルの成長を支える屋台骨になると信じています。